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2007年10月29日 (月)

不思議の国の学生アリス

2週間前から私の病棟に看護実習に来ているN大学2年生のアリス(仮名)。

彼女をスコットランド人のナース、パットと私で受け持つ事になった。

こんな適当を絵に描いたような看護師、私でもイッチョマエに学生指導と言うかプリセプターになっちゃったりもするんですね。

って、ただの人手不足なだけなのですが。。。。

今まででも、「学生さんを付けるはずだったナースが休みだからおねが~い!」と1~2日は学生さんを受け持った事はあるが、今回のように5週間と言う長い実習を最初から最後までかかわる事はなかった。

学生指導といっても、特に特別な事をするわけでなく、私の後にただ学生さんがくっついて歩き、看護の仕事の流れに慣れるというのが目標らしい?
私に対してみれば私が好きなように使える手が増えたといった感じで、ラッキー!?

先々週はパットと一緒の勤務で実習をし、先週は私と一緒に実習をした。

若くて、すらっとした痩せ型でかわいくておとなしそうな顔立ちの彼女。

         でも、何かが違う? 

と疑問に思い始めるのにあまり時間はかからなかった。

はじめに あれ?っと思った事は「申し送り最中にノートを取らない」こと。

私の病棟では申し送りの前に「ハンドオーバーシート(申し送りシート)」というのが配られる。

そこには、病室番号、患者氏名、年齢、医療チーム名、診断名と既往歴、NFR(心肺蘇生拒否)かMET(救命救急医療を希望するか)か否かが書かれている。

その他の事項は例えばADL(どのぐらい動けるのか?)や失禁の有無の状態やカテーテルが入っているのか?介助はどれくらい必要なのか?飲食のレベル(常食なのかとろみ食かソフトなのか?)、抗生剤を使用しているのか?などは右端にあるメモ用の空欄に申し送り事項をそれぞれ書き取っていく事が一般的である。

申し送りが始まり、みんなが一斉にその事項をシートに書き込んでいく中でふと私の前に座っていたアリスに目をやると、彼女は申し送りを聞きながらシートをジーと眺めているだけ。
手にペンすら持っていない。

私の目の錯覚かしら?
それとも自分のセクションじゃないからかな?

なんて思いながら見ていたが、申し送りが終わるまでとうとう彼女の手は動く事がなかった。

?こっちの学生さんてこんなものなのかしら?
?若いから?ニューエイジだから?
?まだ自分できる事といったら、バイタル測定と血糖チェックと経管栄養の注入ぐらいだけだから、その他の情報は必要ないと思っているのかしら?
?彼女は一回で聞いて飲み込めるほど記憶力がいいのかもしれない?

色々な疑問が頭の中で飛び交う。
まさにKay is in the ?Wonder?- Land?

私と一緒に仕事をしている最中、患者さんの部屋に行っても、この人のバイタル測って来てくれる?と頼んだ時も、一度も開かれる事のなかった彼女のハンドオーバーシート。

この患者さんはどんな人なんだろう?と疑問に思わないのか?

休憩時間の時にオーストラリア人の新人ナースに聞いてみた。
Kay「学生だった時に実習中、みんな申し送り事項を書き取とった?」
新人ナース達はみんな声を揃えてこう言った。
「あたりまえじゃない!私なんかわけわからなくても、必死で書きまくったわよ!申し送りシートに書くスペースがなくなるぐらい書いてたわ。」

  ですよね!!?

私の学生時代もそうでした。
じゃあ、なんでアリスはメモを取らないのか?
SDナース(スタッフ教育係)に相談した方がいいかな?
私から注意した方がいいのかな?
でも、なんて言えばいいの?

さんざん悩んだ挙句に、やんわりとアリスに聞いてみた。

Kay「申し送り中に、メモ取らないの?」
アリス「だって、申し送りでみんな何を言っているのかが理解できないんですもの。略語もわからないし。」

ここで、言っておくが、彼女は英語を母国語として育ったオージーの学生だ。
英語がわからないわけではない。
それでも、飛び交う専門用語、略語、医療用語を目の当たりにしたら目が点になるのはわかるけど・・・。
わからないから書く必要がないのとは違うような気がする。

Kay「私も最初はそうだったよ。正しくスペルできなくても、書き留めるように努力したし、書いておいて後で聞くようにもしたよ。他のスタッフの休憩をカバーする時に受け持ち以外の患者さんの情報がなかったら困るし、必要最低限の情報だけでも書いてみたら?これも練習だし。」
彼女は「はい、明日からやってみます。」と素直に答えた。

それ以降は彼女と一緒に組んでいないのでちゃんと書き取っているのかどうかは未だに謎。
3年生になったら突然申し送りが理解できるようになるとでも思っているのだろうか?
理解できないのはまだ大学で習ってないから?

正直、彼女が何を学びに来ているのかが見えない。
教科書で習った事を現場でで見たり、聞いたり、接したり実行したりするいいチャンスでしょ?
まだ習ってなくても、自分が接する患者さんがどんな病気なのか勉強したり、視野を広げるいい機会だよね?

私は厳しすぎですか?
私は求めすぎですか?

  けい

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コメント

がんばってるね~!
こっちはすっかり紅葉の季節。今週末あたりが見ごろかな?あなたの家を出て、鷹巣方面へ向かう時の最初の橋(下は湯口内)あたりの風景が大好き。お父さんも元気そうよ(by しんさん)。
アリスちゃんとはちょっと異なるけど、このたびのシンポジウムで、納得できなかったけど「あ~今の若いコってどうしようもないな」で諦めてたよ。若いコごめんよ。すべてがそうじゃないんだけどね。  アリスちゃんはまだいいじゃん。人の話を聞くからさ。
今回のイベントでは、ウチらはあくまでも「英語遣い」なんだが、主催者やスタッフを差し置いて外人と直接交渉始めたもんだから、さあタイヘン。外国人を招聘した主催者と外国人の間で揉め事勃発。私が主催者に平謝りして、困ったチャンをやんわりたしなめたのだが「自分のしたことの何が悪い」って態度を貫いた。
組織で働くってことの意味を全く理解してない様子。
注意されるとふくれっ面。アリスちゃんは20だけど、困ったチャンは30すぎてる。
ウチの9、10歳児にもよく言い聞かせました。「何か起こっても人のせいにしちゃいけないよ。自分の言動がすべて自分にはねかえってくるからね」と。

投稿: meiko | 2007年10月30日 (火) 08時25分

<Meikoさん>
コメントありがとうございます!
もう紅葉の季節ですか?早いですね!時がたつのは・・・。
パースは暖かくなるどころか、最近はめっきり寒いです。
これでも春なんですけど・・・。
「困ったチャン」の件はお疲れ様でした。
通訳の意味を履き違えてしまったのでしょうね。
もうちょっと自分の立場と役割をわきまえた上でボランティアに当たって欲しかったですね。姉さんが頭を下げている光景が目に浮かぶようです。本当に大変でしたね。
そこですかさず子供に言い聞かせる所などはさすがです!!
アリスちゃんの話はまだ続きます。
今度、DSナースと他のプリセプターのパットと私とでミーティングするらしいです。
「困ったチャン」はどうかわかりませんが、アリスちゃんはまだまだ始まったばかりなので、これから成長が期待されます。
けい

投稿: kay | 2007年10月30日 (火) 09時50分

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