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2009年5月22日 (金)

情けは人のためならず

シフトコーディネーター(チャージナース)としての仕事の一部に、部屋移動と言うものがある。

患者さんの状態や疾患、回復状況に合わせて、患者の部屋を移動させる。

退院したベットにそぐう状態の患者が入院して来ればいいが、例えば退院した患者さんが女性の大部屋で、入院患者が男性の場合、個室の女性患者で大部屋に移ってもいい状態の患者さんをピックアップし部屋移動をして、それから入院患者を受け入れたりする。

そのまた逆もあるわけで、大部屋で状態が悪化した患者さんや感染症疑いのある患者さんはスムーズに個室に移動させるのもシフトコーディネーターの仕事。

多い時は1シフトで5~6回以上の部屋移動があったりする。

その度に、クラークさんや受け持ちナースに連絡取ったり、確認を取ったりといろいろ面倒くさい。

それ以上に面倒くさいのが、患者さんへの説明。

特に気難しくて、協力的でない患者さんだと『個室がいい!!』とごねたりするとスムーズに運ばなくなる事も多い。

私の病院は公立病院なので、部屋割りについては、当たり前だが患者の悪い状態が最優先され、それを決める権限は私達医療者にある。

それでも、「ごねれば何とか個室キープできるのではないか?」と考える人は(患者の家族も含めて)結構多いのも現状。

シフトコーディネーターによって、患者に説明せずに部屋移動をする人もいるが、私はなるべく患者にも家族にも説明し協力を得るようにしている。

この間の午後勤務の出来事。

大部屋の男性患者さんが突然の下痢、嘔吐を発症し、『ノロウィルス疑い』で個室に移動させる事になった。

空いている部屋がなかったので、個室にいる患者さんの状態をチェックする。

女性患者、もうすでに感染症の患者、終末期の患者、急性期の患者さんは除外すると、候補はだいぶ限られる。

候補にあがった患者の受け持ちナースにこの患者を大部屋に移しても大丈夫かと確認する。

受け持ちナースに『大丈夫だよ!』と確認が取れた所で、候補患者、MR Wさんに状況を説明し部屋を移動する事を告げる。

Wさんは

『僕はね、先週入院してきて、上の階の病棟にいた時は本当に死ぬかと思ったんだよ。その時だって、誰かが僕に個室を譲ってくれたからこうやって回復する事ができたんだ。今状態が悪い患者さんは先週の僕みたいなものだよ。僕はこうやって良くなっているから、今度は僕が個室を譲る番だよ。』

と言って快く引き受けてくれた。

Wさんの言葉にすごくジーンと来てしまった。

なんていい人なんだろう・・・。

ホームレスで病院をホテル代わりに使い、わがままほうだいの患者さんだっているのに。。。

丁寧にお礼を言って、早速部屋移動を済ませることが出来た。

同じ部屋移動でも、考え方一つでこんなにも変わるものなんだと、すごく勉強になった。

患者さんだって、健康な人だって、私だって、誰だって、一人で生きているわけではないのだ。

誰かのこうした思いやりの心で助けられているのだと、改めて思うことが出来た。

Wさん、ありがとう。

けい

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